卒業した先輩
インタビュー
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- 「療養しながら医学系の大学院に進学」
仲泊 昂志 さん 28歳
- 「療養しながら医学系の大学院に進学」
2021年3月教養学部(人間と文化コース)卒業
大阪学習センター所属 ※2021 年3月時点
他大学から編入学 卒業後は京都大学大学院へ進学
Q.入学理由を教えてください。
持病の悪化で通学制の大学を休学していた時期に、「療養しながらでも大学での学びを進められる方法はないだろうか?」と考えていたところ、母からのすすめがあって放送大学を知り、2年次編入を決めました。
学費を抑えたかったので、他の教育機関は検討しませんでした。
Q.大変だったことはありますか?
いろいろな分野の科目を履修していたので、在学1年目くらいで「専門性があまり身についていない気がする」と感じていました。
しかしあるとき、「乗り越えた」という言い方が正しいか分かりませんが、卒業年度に院試ための勉強をしていると、
「いろいろな分野を広く学んでいることは強みなんだ」と実感する瞬間があり、これでよかったと思えるようになりました。
卒業後も放送大学の印刷教材をよく読んでいるのですが、教材に掲載されている参考文献は実は宝の山で、記載されている文献を読んでいくだけでもかなりの専門性が身につきます。
これから入学される方は、ぜひ参考文献を生かしていただきたいです。
サポートの面では、母や一緒に住むパートナーに「今日学んだこと」を口頭でしゃべっていたのですが、二人とも私の長話をいつも興味深そうに聞いてくれました。
そしてアウトプットすることで学んだ内容を整理できました。
Q.放送大学で学んでよかったことをおしえてください。
学びの面では、多岐にわたる科目を通して、さまざまな学問の共通部分と、決定的に異なる部分の両方を体感することができた貴重な機会でした。
そして、進路の面では、病気療養をしながら学位を取得でき、大学院にも進学することができたのが本当に夢のようです。
実は10代の頃、医学の世界を目指そうとしましたが、ハイレベルな入試に耐えられないだろうと思い、断念しました。
その後、コミュニケーションの研究をしたいと思って通学制の大学に進学したものの、持病で通えなくなり、大学院進学もあきらめ、絶望していました。
しかし、放送大学ではそれまで「やりたいけど無理」と思っていた学問をすべてやることができ、結果的に大学院進学が決まり、
さらには「医学コミュニケーション学」という、これまでの関心が結実したような研究室に所属することになりました。
まさに放送大学で学んだおかげです。
Q.おすすめ科目を教えてください。
「公衆衛生(‘19)」
疾病や健康に多様なアプローチができることを学べるからです。
➤➤後輩へメッセージをお願いします。
私は持病の悪化で大阪大学の外国語学部を休学し、復学の目途が立たない中、同級生が卒業していく姿を見て「療養しながらでも大学を卒業できる方法はないだろうか?」と考えていたところ、母からのすすめがあり放送大学に編入しました。
正直、最初の頃はどんな学びになるのかイメージできなかったのですが、科目一覧を見てみると、あまりに面白そうな科目群に驚きました。
そして、印刷教材や放送教材のクオリティも高く、オンライン授業を組み合わせることで療養しながらでも順調に学びを進められました。
そして、放送大学で何となく履修していた「公衆衛生(‘19)」という授業が、私の人生に大きな影響を与えました。
もともと文系で、放送大学でも人間と文化コースでしたが、持病の関係もあって医学には関心を寄せていました。
ただ、「今からでは無理だろう」という思いもあり、実際に医学に触れることはほとんどありませんでした。
その中で受けた公衆衛生の授業で、医学や健康・疾病に多様なアプローチがあることを知り、「もしかして文系の私でも貢献できることがたくさんあるのでは?」と感じました。
そこからは、療養が進んで大学院進学を漠然と考えていたこともあり、「医学をやりたい」というより、「これをやるしかないんだ」という、ある種の使命感のようなものを感じながら、京都大学大学院、医学研究科を受験することにしました。
不思議と「無謀だ」という感覚はなく、周囲も応援してくれたので、猪突猛進で勉強をしました。そして、コロナ禍の夏に無事に合格することができ、大学院への進学が決まりました。
私にとって、放送大学はいい意味で「何でもあり」な学びができる場であり、そして、持病がありながらも学位を取得することができた「学びの機会」でもあります。進学に迷っている方はまずは気軽に1科目でも受けてみてください。
皆さまのご活躍を祈りながら、私もがんばります。
Illustration by Freepik Storyset