卒業した先輩
インタビュー

  • 「情報学の体系的な学びなおしができた」

    山田 知熙 さん 28歳  

2021年3月教養学部(情報コース)卒業
東京文京学習センター所属   ※2021 年3月時点
他大学大学院卒業後、放送大学へ編入学

 

Q.入学理由を教えてください

文系出身のシステムエンジニアとして働くうちに、情報科学・情報工学の知識不足を痛感する機会が多くありました。
働きながら学び直す方法を探ったところ、放送大学の情報コースが目に留まり、卒業研究も含めた体系的な学びが得られそうだと考えたことで入学を決めました。

 

 

Q.放送大学へ入学するきっかけを教えてください。
学び直しの方法として、情報系の大学院に入り直すこと、社内の研修制度を活用することも候補に挙げましたが、当時の自分に必要なのは大学院での研究というよりも学部レベルの体系的な学びであると考えたこと、
受講方法の柔軟性や開講科目の幅広さを鑑み、社会人2年目になったタイミングで放送大学情報コースに編入しました。
勤務先に通信制大学のための学費補助や休暇制度があったことも決め手の一つでした。

 


Q.大変だったことはありますか?
放送授業による講義が中心のため、アウトプットの機会がどうしても少なくなりがちだったことです。
オンライン授業や面接授業を積極的に活用したり、卒業研究に取り組んだりすることで意図的に機会を作りました。

 

 

Q.放送大学で学んでよかったことをおしえてください。
当初の目論見通り、体系的に情報学を学び、仕事の基礎にできたことです。
自然言語処理をテーマとする卒業研究に取り組み、その実績により希望する仕事に関わることもできました。
また入学前はあまり想定していなかったところですが、デザインや心理学といった情報学の周辺領域でも興味深い科目が多数開講されており、履修したことでスキルの幅が広がりました。

 

Q.おすすめ科目を教えてください。
・自然言語処理

歴史的発展からニューラルネットワークに至るまで体系的に整理されていて勉強になりました。
卒業研究と学会論文の基礎にもなりました。

・コンピュータと人間の接点

人間の生理的・認知的な特性、デザイン思考に準拠したシステム開発のプロセス、先進的なインターフェースについて扱われていて面白い科目でした。

・情報理論とデジタル表現

情報科学的な考え方の基礎として学びの多い科目でした。
JDLA E資格というAI系の資格を受けたのですが、その試験対策にもなりました。

 

➤➤後輩へメッセージをお願いします。

私は現在、通信系のIT企業でソフトウェアエンジニア兼UIUXデザイナーとして働いています。
私立大学の文系学部を卒業後に大学院で修士号を取得し、新卒で現在の会社に入社しました。
大学院は広い意味での情報系ではあったものの、いわゆるコンピュータサイエンスではなく、ICT4Dと呼ばれる国際開発学と情報学の中間のような分野の研究をしていました。
このため、仕事をしていくうちに情報科学・情報工学の知識不足を痛感し、学び直しのために放送大学の情報コースに編入しました。

 

2年間の全科履修生在学期間中は、基本的な数学や情報理論から始め、ソフトウェア開発、マルチメディア情報処理、データ分析等の科目を履修しました。
2年目にはソフトウェア工学に対する機械学習(自然言語処理)の応用手法提案をテーマとして卒業研究を執筆しました。
卒業研究を発展させた内容の技術報告を外部の研究会で発表することもでき、学び直しの成果としては満足しています。

卒業後は大学院の修士選科生として学びを続け、情報科学・情報工学の周辺領域であるデザインや心理学についても勉強しています。
放送大学で修得した単位を生かして、学位授与機構から情報工学の学士号を得ることもできました。

 

IT技術者が自己研鑽を行うとなった場合、資格試験の受験や各種研修の受講は一般的ですが、
大学に再入学して学び直すという選択肢は未だあまり一般的ではないように思います。

 

しかし、自分に合った形でうまく活用することができれば、放送大学での学び直しは技術者の能力向上に大きく貢献できると考えます。
ぜひ自分の目的にあった放送大学の活用法を見つけてみてください。

 

※過去に放送大学を卒業した所感を一般向けに記事として公開していますのでよろしければご参照ください。
https://note.com/lumpsucker/n/n2d3992a93feb

 

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