卒業した先輩
インタビュー
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- 「社会に出て、改めて学びたいと思った」
國吉 龍太朗 さん 25歳
- 「社会に出て、改めて学びたいと思った」
2021年3月教養学部(情報コース)卒業 東京渋谷学習センター所属 ※2021年3月時点
高等専門学校を卒業し、就職。社会人3年目で放送大学へ編入学。
Q.入学理由を教えてください。
仕事を続けていく中で、自分の専門分野だけではすそ野が狭くてやっていけない、
もっと広い分野を勉強したいと思うようになりました。
会社にはいろいろな考えを持つ人がいて、その中でうまくやっていくためにも、
自分の専門分野にプラスアルファで学ぶ必要があると感じ、大学に通うことを決めました。
高等専門学校では電気と情報を扱うコースで学んでいたのですが、
「情報」の部分をもっと深堀したいと思い、放送大学では情報コースを選択しました。
入学後は、情報コース以外の文系科目も取るようにしていました。
Q.放送大学へ入学するきっかけを教えてください。
放送大学を知ったきっかけは、たまたまBSで放送されている授業を見たことです。
当時、物理科目の授業を見たのですが、内容が充実していて信頼できそうだと感じ、
教授の皆さまも有名な他大学から来られているので、授業の品質も保っているのだろうなと思いました。
放送大学は歴史も長いので、その分、実績やノウハウもあるだろうと思いました。
また、20代ということもあり、給料から学費を工面するとなると厳しい面もあったのですが、
最低70万ほどで卒業を目指せることや、授業料が1科目ごとに決められていることを知り、
負担が少なそうだと感じたので入学を決めました。
Q.大変だったことはありますか?
自分1人で大学入学を決断し、モチベーションをいかに保ち続けるかは大きな課題でした。
SNSを通じて他の放送大学生と情報交換をしたり、単位認定試験が終わるたびに、
ご褒美として旅行をしたりする等して、モチベーションを高めました。
仕事との両立も大変でしたが、会社には大学に通っていることを伝え、
単位認定試験の期間中は上司や先輩方に仕事の調整をいただく等、サポートしていただきました。
周囲の理解とサポートは重要だったと感じています。
Q.放送大学で学んでよかったことをおしえてください。
広い年齢層、職種、地域の方が学ばれていて、
特に年配の方が卒業・修了された話を聞くと、自分自身もまだまだこれからだなと思いました。
さまざまな立場や境遇の方が学んでいるという点は、他大学との大きな違いであり、放送大学の良さであると思います。
また、他大学の講師陣による質の高い講義や、面接授業(スクーリング)を受けられたことは、貴重な経験だったと思います。
特に『権力の館を考える(’16)』(現在は閉講)や『レジリエンスの諸相(’18)』を通じて新たな視点を発見し、
学問同士の融合のおもしろさ知ることができました。
また、授業を受けるだけではどうしても知識だけに偏ってしまうと思い、授業で紹介された場所に実際に行ってみたりしました。
知識を身に着けたうえで現地を訪問することで相乗的な学びに繋がりました。
Q.同世代の学生さんとの交流はありましたか?
面接授業を受けた際に、20代・30代の学生の方と交流する機会がありました。
また、単位認定試験の際にはいろいろな学生の方がいらっしゃるので、そこで同世代の学生の方と話す機会もありました。
Twitterを通じて学生同士がお互いの授業や試験の状況等を報告しあっていたので、
自分から探せば、意外と周りに放送大学の学生はいるのだなと分かりました。
「こういう科目が面白い」といった情報を手に入れたり、「勉強するぞ」というつぶやきを見てモチベーションにしたりして、
SNSを活用していました。
Q.いつ勉強されていましたか?
基本的には、通勤時間や、休みの日に勉強していました。
新型コロナウイルスが流行する前は、土日は東京渋谷学習センターにほとんど通い込み状態でした。
学習センターの付近にはちょうど飲食店も多くあり、勉強して、近くの飲食店で食事をして帰る、というのが定番の流れでした。
勉強を終えてそのまま遊びに行くこともできましたし、
そうやってうまくメリハリをつけて勉強ができたのはよかったなと思います。
Q.学びが仕事に役立つことはありましたか?
主に情報系の科目を履修してきたのですが、例えば、データベースの考え方は
情報のまとめ方に迷った際の指針になり、とても役立ちました。
また、情報セキュリティーについても、授業を通じて素養を積んでいたことが土台となり、
仕事で新しい知識を吸収する際には理解の助けになりました。
加えて、心理学の概論についても少し学んできて、人のものの考え方について触れてきたので、
なんとなく自分自身の器が広がったと感じていますし、自分自身の無知を知ることができました。
そういった経緯から心理学をもっと学びたいという気持ちが強くなり、現在、再入学して心理学のコースを履修しています。
Q.今後学びたいことはありますか?
現在は心理学系の科目を深堀していこうと勉強していますが、いずれは社会系のコースも履修したいと考えています。
昨年『交通心理学(’17)』(2022年度第2学期をもって閉講)を受講して、人間の心について知識を得るだけでなく、
それを応用して実際の問題解決にどう役立てているのかを学び、とてもためになりました。
面白いことに、情報コースで人間の情報処理について学んでいると、脳の話が出てきたりして、心理学と結びつく部分がありました。
また一方で、心理学の勉強をしていくなかで、脳の情報処理の話が出てきて、学問同士は繋がっているということを実感しました。
Q.おすすめの科目を教えてください。
ひとつは、『権力の館を考える(‘16)』(現在は閉講)です。
放送授業でいくつかの具体例を見ながら、テキストで深い解説を読み、議論を楽しめるという有意義な科目でした。
『錯覚の科学(‘20)』は、実際の映像や静止画を使った錯覚体験を通じて、
人間の認知や錯覚が人間に対してもたらす功罪について考えるきっかけとなりました。
単に理論を並べていくだけではなく、実例を交えながら楽しく学べるよい授業だったと思います。
身近に起こる現象について扱っていたこともあって理解もしやすかったです。
最後に『レジリエンスの諸相(‘18)』は、生物、社会、災害、都市、心理学等、さまざまな観点からレジリエンスを見つめ、
これからの自分自身の生き方や、仕事における思考のプロセス、システムの在り方等、
さまざまなことを改めて見つめなおすことができる授業でした。
東北地方の被災地の話があったので、実際に被災地の様子を見に行ったこともあります。
➤➤後輩へメッセージをお願いします。
最低限必要の資格を満たせば、自分の学びたいことを自分のペースで学んで大学卒業を目指せるのが、
放送大学の最大のメリットだと思います。
一般的な大学よりも自由度は高いと思いますが、その分自分自身で考えて行動しなければならず、
自分の目標に向かい続ける強い意志も必要です。
晴れて卒業できたならば、知識や教養を得るだけでなく、
自分自身との戦いに打ち勝ったという大きな自信に繋がると思います。ぜひ頑張っていただきたいです。
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